切削加工を最適化

時短・省人化ソリューションソフト

ACM

Adaptive control & Monitoring Solution

各CNCメーカーに後付け可能

SIEMENSのみならず、日本国内で多く使用されているFANUCやMITSUBISHI製にも後付け可能です。
異なったCNC機が点在している工場でも本製品で統一可能スクリーンショット 2023-09-04 23.03.50

 

工具寿命の向上に貢献

高負荷時は、送り速度を下げ、低負荷時は、送り速度を上げる事で、工具にかかる負荷を可能な限り一定にし、工具寿命の安定化・長寿命化を
実現できます。工具寿命が安定することで、工具1本あたりにおける生産個数のバラつきをなくすことが可能です。


 

機械/工具の保護と欠損検知

切削加工において、ワーク表面の凹凸や硬度・寸法は必ずしも一定ではありません。変則的に変わる加工条件下で、過負荷がかかった場合は、
瞬時に機械を停止させます。また、切込み時の負荷を軽減することで、機械/工具の保護に貢献します。

 

切削負荷のモニタリングで諦めていたロスを削減

Adaptive control & monitoring

ACM

切削加工に時間がかかるという課題を解決するための、 SIEMENSが提供するソフトウェア

 ACMとは

ACMとは Adaptive Control & Monitoring を意味し、切削中のスピンドルの負荷を常時モニタリングし、 それを送り速度の調整に活用するシステムです。

例えば、大きな負荷がかかりやすい、刃物が材料に進入する場面においては送り速度を低下させ、比較的負荷が下がる切削中には送り速度を上げるようなコントロールを行います。

ACMでは、 主軸負荷の他にも、 切削工具のデータやワークの材料特性などの情報を取得します。 それにより、 加工フェーズだけでなく、 各瞬間において許容される最高の送り速度での加工を可能にします。また主軸にかかる負荷の変動は仕上げ面に影響を与えますが、 ACMならば常に主軸負荷をモニタリングし、最適な送り量を算出することで、 仕上げ面の均一さにも貢献します。

 

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メリット1:サイクルタイム短縮

ACMは、航空宇宙分野や自動車産業、金型業界など様々な業界で活用されています。

例えば航空宇宙分野で使用されるランディングギアの切削加工では、切削難易度の高い部分が存在しています。このような場面において、従来はオペレーターが手動で刃物の送り量を調整していました。しかし、特に多軸加工機においては、作業員の目視では加工部位の確認がしづらく、状況が正確に把握できないため慎重にならざるを得ず、許容される最高の送り速度での加工は不可能でした。

ACMならば切削状況を常にモニタリングしているため、刃物の食いつき時だけでなく、加工中であっても、その瞬間ごとの最高の送り速度で加工ができるようになり、およそ27%の加工時間短縮につながりました。

業界別の事例では、自動車産業では約8%、発電業界では約18%、金型業界においては約21%の加工時間短縮を実現しました。

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メリット2:機械と工具の保護

工具の過負荷状態を検出し、機械を瞬時に停止

ACMが組み込まれた加工機であれば、切削時の速度を維持しつつ、刃物が素材に進入する際の送り速度を最適な速度まで落とせるため、工具の衝突リスクを低減できます。また、工具が異常な負荷状態にあると判断すると機械を停止させることができるため、機械/工具の損傷を最小限に抑えます。

ACMは非常に短いサンプリング時間(2ms)でスピンドル負荷を監視します。これにより、工具の異常な負荷状態を瞬時に検出します。この最適化された検出機能は、機械の損傷を抑え、生産プロセスの中断を最小限に抑えるのに役立ちます。

 

動作イメージ

メリット3:工具負荷の可視化と工具寿命の向上

チタン材などの難削材料、ダイス鋼などの高硬度材料を切削加工する際には、必然的に工具にかかる負荷は大きくなります。切削の設定が合っていない場合、工具の摩耗が進んでしまい、想定より工具の寿命が短く、工具の費用が増加してしまうことになりかねません。

工具寿命の可視化事例

インコネル718という、ニッケルを主体とし、炭素や鉄などを加えた合金でジェットエンジンの部品、原子力発電所の原子炉などに使われている、強度として非常に強い合金があります。ACMでインコネル718を切削した場合、どのような利点をもたらすかについてポーランド・ジェシュフの工科大学にて試験をしました。

 

事前準備

試験加工を開始する前に、ACMのラーニングモードを実行しました。工具を新品の状態から使用し、摩耗が進行するまで加工テストを繰り返しました。このラーニングモードにより、Load Curve(負荷曲線)が生成されました(Fig. 1の4)。このLoad Curveを基にして、下記の2つの方法を用いて工具を監視しました。

  1. Monitoring of maximum load : 100ms毎に、ラーニングモードのときの最高負荷と比較というモニタリング
  2. Monitoring in learning curve band : ラーニングモードのLoad Curveの上限と下限をリアルタイムに比較というモニタリング。 
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1 Alarm Level
(負荷の上限と下限 – 超えると機械を停止させる)
2 Warning Level
3 Maximum recorded load
(ラーニングモードのときの最高負荷)
4 Load Curve(負荷曲線)

試験結果

・約10回程度【Warning Level】という上限・下限を超える警告が発生
・その後2回【Alarm Level】という上限・下限を超え、ソフトウェアが機械を停止
・2回目の【Alarm Level】までの加工時間は42分

工具が摩耗していくと、新品の状態よりも負荷が増加する傾向があります。ACMソフトウェアの負荷監視・自動調整機能により、工具メーカーの推薦タイミング通りに工具寿命を達成しました。また、衝突防止機能も備わっているため、工具の過負荷による問題を未然に防ぐことができました。

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加工中のACMの画面と新品状況の工具
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加工が終わった画面と摩耗状況の工具

ACMで理想の切削加工を実現

ACMが改善できる点は、次の3点です。

1.サイクルタイムの短縮
リアルタイムに主軸の負荷をモニタリングすることにより、大きな負荷がかからない部分においては、その瞬間に許容される最高の送り速度で加工できるようになります。これによりおよそ15%から20%のサイクルタイムの短縮が可能になります。

2.機械/工具の保護
工具の保護はACMの特徴的な技術の一つです。ACMが組み込まれた加工機ならば、設定により刃物が素材に進入する際の送り速度を十分に落とすことができるため、オペレーターが常に機械を操作する必要がなくなります。また、万が一工具が衝突した場合、瞬時に機械を停止し、機械/工具の損傷を最小限に抑えます。

3.工具負荷の可視化
ACMでは加工時の負荷を常にモニタリングして最適な送り速度を選択できるため、工具への負担が少なくなります。それにより、工具の寿命が向上します。工具にかかる負担を可視化することによって、工具の交換時期や再研磨のタイミングなどを予測できるようになり、工具管理の最適化が可能になります。

 

 対応NCについて 

SIEMENSのみならず、日本国内で多く使用されているFANUCやMITSUBISHI製にも後付け可能です。
異なるCNC機が点在している工場でも、本製品で統一可能です。

NC 動作環境  
Siemens  
Sinumerik 840Dsl with PCU SINAMICS S120 drive以上
PCU50.3以上
NCU 710.x以上
NCUソフトウェア version 2.7以上
HMIソフトウェア version 4.5以上
 
Sinumerik 840Dsl with TCU NCUソフトウェア version 2.7以上
SP1 HMIソフトウェア version 4.5以上
 
Sinumerik 828 NCUソフトウェア version 4.95以上  
Sinumerik 808/810/802    
Sinumerik 840Dpl PCU50 Simodrive 611D以上
NCU572.x以上
NCUソフトウェアversion 06.05.11以上
HMIソフトウェアversion 06.05.15以上
 
Sinumerik 840Dpl PCU20    
Sinumerik ONE    
Fanuc  
FANUC 0i - モデル A/B/C
使われているFanucに下記の機能が必要

1.FOCUS 2 Library A02B-0207-K737
2.LANポート (A02B-0303-J381)


 
FANUC 15/150 -モデル B   
FANUC 15i/150i -モデル A/B  
FANUC 16/18/21/160/180/210 -モデル B/C  
FANUC 161/18i/21i/160i/180i/210i -モデル A/B
 
FANUC 30i/31i/32i - モデル A/B  
FANUC 300i/310i/320i - モデル A  
Heidenhain  
TNC 640/620/320

使われているHeidenhainに下記の機能が必要
1.DNCオプション(オプション#18)

 
iTNC 530 dual processor  
iTNC 530 single processor  
Mitsubishi  
M70/M70V/M700/M700VS/M700VM    

リストにあるNC以外でも導入可能です。対応が異なりますのでご相談ください。


※下記のハードウェアが必要な対応になります:

1.Siemens Power Transducer Current Sensor- PTM (シーメンス型番:6FC6540-2HP10-0YY0)
2.Siemens Data Acquisition-DAQC ACM Net (シーメンス型番:6FC6540-2HP00-0YY0)
3.PC (最低限のスペック:OS: Windows XP/7/8/10 メモリ: 1GB 容量:500MB)

ACM-資料ダウンロード

ACMの情報をまとめたPDF資料をお送りいたします。